「森林浴」「森林セラピー」って何?
森と川は密接につながっているのです。
街を流れる川の多くは、山に降った雨が森を抜けて川に流れ込んだものです。小さな川が合流を繰り返し、街に流れ込み、生活用水や農業・工業用の水として、我々の生活に必要不可欠な水を提供してくれています。
そこで今回は、川の先にある森について、特に森林浴とその効能、また最近耳にする「森林セラピー」についてお話ししたいと思います。
「森林浴」とは
そもそも「森林浴」という言葉はどのように生まれたのでしょうか?
「森林浴」という言葉は、1982年に林野庁(当時の長官は秋山智英氏)が提唱した「森林浴構想」に基づいて生まれた概念です。
「森の香気を浴びて心身を鍛えよう」景観の優れた全国の国有林を開放して、青少年の非行の防止と老人の生きがいに役立てるためだったそうです。
林野庁は昭和44年に森林レクリエーションの適地として、全国92か所に113,000ヘクタールの自然休養林指定しましたが、国民規模で活用されることがなかったそうです。
当時は青少年の非行や高齢者の増加が社会問題になっていました。そのなかで林野庁は、海水浴になぞって、森の精気をあびる「森林浴」の構想を打ち出しました。
「森の中には殺菌力を持つ独特の芳香がただよい、少しぐらいのカゼなどは、森の中でひと仕事すれば治ってしまう」という、「芳香医学」を研究されていた神山恵三博士(当時共立女子大教授)のことばに林野庁は力を得たそうです。
林野庁はまず、全国に散在する自然休養林を再活用し、ハイキングやキャンプ用の「少年の森」と、シイタケやなめこを生産しながら山の手入れをする「生きがいの森」を全国の営林署や地元自治体と協力して整備するとともに、環境省(当時は環境庁)とも話し合って国立公園内の森林も「森林浴」に開放したい考えだったそうです。
「森林セラピー」とは
森林セラピーとは、科学的エビデンスに裏付けられた森林浴効果を意味します。
「セラピー」とありますが、治療を意味するものではありません。
森林等の植物由来の刺激が、生理的リラックス状態をもたらすことにより、免疫能が向上し、病気になりにくい体になるという『非特異的効果』を意味しており、予防医学的見地に立った概念」です。
森林セラピーが実施できる場所は、森林セラピーソサエティの審査委員会によって、生理的なリラックス効果(唾液中ストレスホルモンであるコルチゾール、唾液中アミラーゼ、交感および副交感神経活動からの心拍のゆらぎ、血圧、脈拍を指標とする)、管理主体や地域住民の受け入れ態勢などのソフト面、宿泊施設や森林環境などのハード面が審査されたうえで認定されます。
